「キンタマン」 
第24回(平成23年)大伴昌司賞 佳作奨励賞受賞作

神林克樹 作者の連絡先

東京生まれの神戸育ちゆえ幼き頃より東京弁と関西弁を使いこなすプチ・バイリンガル。
高校卒業後、目標のない大学進学をやめ映画の専門学校に進学。
映画作りのイロハを学んだのち録音助手として現場を経験。
しかし脚本家の夢をあきらめきれず一念発起してアルバイトをしながら書き続けること15年。
現在は日本年金機構でデータ入力とチェック等の仕事に従事しております。


「キンタマン」シナリオ
【あらすじ】
 一日も早い童貞喪失が夢の高校2年生、金太が車に轢かれ、脳以外は死んだも同然の状態になってしまう。金太の父親で天才科学者の玉雄は念願のサイボーグ研究が実を結んだばかり。彼は金太の脳髄を取り出して超合金製のボディに接続し、金太を甦らせる。しかし金太は激怒する。
 「なんぼ生き返ったって肝心のチンチンがなかったら意味ないやんか!」。
 とはいえ、いくら玉雄に反発したところで「脳は生身だが体は機械」という現実は変えられない。そこで金太は自殺を決意。しかし、電車へ飛び込んでも高層ビルから飛び降りてもびくともしない。
 ある日、クラスメイトの女子を襲う男を発見した金太は腕力にものをいわせて男を退治。この一件がきっかけとなり、金太は「正義のヒーロー・キンタマン」として生きていくことを決意。警察や機動隊でも解決できない難事件を次々と解決し、一躍スーパースターとして名を上げる。
 そんな折、強盗事件が発生。金太の登場で簡単に解決するかと思いきや、強盗団は熱気球で悠々と逃亡。腕力は桁外れでも飛ぶ能力のない金太に批判が集中してしまう。金太のショックは収まらず、玉雄に羽根を付けてくれと懇願する。だが、玉雄は他の研究に忙しいらしく取り合ってくれない。
 再び同じ強盗団による事件が勃発。またも熱気球で逃げようとしたところを金太がジャンプ一番飛びつき、熱気球は墜落。落下地点の近くにいた玉雄を拉致して首領は町工場に逃げこみプレス機に玉雄を入れて解放を要求する。金太が渋っていると首領はほんとにスイッチを押す。金太はすかさずプレス機に自分のボディを挟んで玉雄を助け出す。そこへ突入してきた機動隊が首領を逮捕。玉雄がプレス機を止めて金太を助けようとするが、金太は手を伸ばしスイッチを塞ぐ。
 「もうこのまま死なせてぇな」金太のボディは全壊状態になり、頭蓋部ももう少しで潰れる、というところで気絶した金太の手を玉雄が外し、プレス機を止める。
 翌朝、金太が目を覚ますと何とボディが自転車に変わっている。頭蓋部が自転車に連結されているという粗末なもの。金太はまた激怒するが、玉雄がその耳に囁く。
 「チンチン作っといたったぞ」
 はたして人工のチンチンとはいったいどんなものなのか・・・?