【タイトル】 

「大人の条件」

【作者】 

島 みゆ

【E−mail】 

miyuki.shima1275k.f.h@gmail.com

【シナリオ】

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《梗概》

 

彼氏いない歴21年の千明澪(21)は、老人介護施設で働いて1年半。最近仕事に嫌気がさしていた。

友人の夏美や香織は、彼氏もいて仕事も充実した日々を送っている。そんな2人をみて少しネガティブになる。

持病のアトピーをいい訳に、転職したいと、母親に相談するが相手にされず、仕事の上司にも「辞めたい」と話すが聞き入れられない。

そんなある日、施設の利用者で澪が担当する及川ハル(73)の孫、及川俊(21)との出会いにより、もう少し仕事を頑張ろうと思う。

澪は俊の事を、施設利用者で金持ちの高木淑子(70)の孫だと思い込み、こんな御曹司と付き合えたらと舞い上がる。段々と俊との仲も縮まり、充実した気持ちになる澪。

そんな中、夏美、続いて香織とも彼氏と別れてしまう。澪が助言すると「彼氏のいない澪にはこの気持わからない」と言われてしまい、気まずくなる。

ハルの容態が悪くなる。ベッドで寝ているハル。「家へ帰りたい」とつぶやく。そして数日後ハルは亡くなる。

ハルの死によって、俊は高木の孫ではないと知った澪は俊に興味がなくなり、またしても仕事に対しての意欲もなくなってしまう。

惰性で働く澪だったが、バツ1で美人看護士の青山早紀(33)の仕事ぶりをみて、自分も青山のように、男に頼らず1人でも生きていける女になりたいと思い、看護士になろうと思う。家族に今の気持ちを伝えようとするが、中途半端と言われ親子喧嘩になってしまう。

ある日、介護施設を移動した河野秀一郎(72)の忘れ物を届けに行く澪。移動先の施設は、小さいながらもアットホーム的な雰囲気だ。

生き生きとした河野の姿を見て衝撃を受ける澪。そして施設にいる老人たちみんなが、家に帰りたくても帰れないそんな現実があることを今更ながらに受け止める。そしてハルが亡くなる数日前に「家に帰りたい」と言った言葉を思い出す。自分にもなにかできる事はないのだろうか?そんな気持になる澪。そして改めて今の仕事を頑張ろうと決心をする。

久しぶりに会う夏美と香織。澪は俊に対しての思いを重ね「男と付き合った事のない私には2人の気持がわからなかった」と謝る。

介護施設の秋祭りの日、久しぶりに俊と会う澪。澪に告白する俊。その気持も見抜けない、まだまだ大人になれない澪がいた。