【タイトル】 

「デリヘルブギ」

【作者】 

和泉英智

【E−mail】 

capra21eichi@yahoo.co.jp

【シナリオ】

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《梗概》

浜夏市役所に勤める今市圭太は民間企業から転職。能力をひけらかすよりも、破綻しない、敵を作らない生き方が無難で利口だと考えていた。彼の職場は、ごみのポイ捨てを取り締まる生活環境課。来週から新しい職員、牛山猛が配属されることになり、面倒を見るよう頼まれる。上司を上司とも思わない厄介者と聞かされ、ひるむが、なんでもやろうとするタイプで課長の頼みは断れない。

やってきた猛はいきなり遅刻となめきった態度。しかも、出会い系サイトでナンパした人妻と、昼日中から市役所の駐車場でカーセックスする。いきなり神経が切れそうになる圭太。何か仕事を与えなければと考えたのが、ごみのポイ捨てのパトロール。ところが、猛の破天荒振りが功を奏し、不法投棄犯人を捕まえる大手柄。人にはどっかいいところがあるものと猛を受け入れる気持ちになる圭太。一方、妻の寿美枝と冷えている圭太は、デリバリーヘルスを利用する。やってきた女性は、彼が住むマンションの隣の住人、麻生ゆかり。ゆかりは、これが仕事とさばさばしており、ご近所さんだからと、サービスしてくれる。仲良くなった圭太は、ゆかりのデリヘルの社長が一人で電話の応対からコンパニオンの送迎までやっており、人手が足りない、紹介してほしいと頼まれる。ある日、藤川の具合が悪くなり、圭太と猛が通りかかったことで、猛は圭太とゆかり、そしてドライバーを探していることを知る。俺たちでやろうと誘う猛。圭太は、公務員は副業などご法度で、ばれたら懲戒免職と及び腰になるが、ゆかりを助けたい気持ちが高まり――。昼は仕事をサボって猛がドライバー、夜は圭太がドライバーになってデリヘル業を始める。終始乗り乗りの猛に対し、こんなこと長くは続かないとくそまじめに考える圭太。人間はバカでくだらないものと言う猛に、それは間違いと拒絶する圭太。一方、めでたくゆかりと深い仲になる圭太だが、ゆかりがデリヘルの仕事を続ける、続けないで言い争う。副業が役所の同僚にばれ、職場復帰したい圭太はついに猛と絶縁する。しかし、寿美枝に離婚届けを突きつけられ、ゆかりとの関係で変態呼ばわりされ、耐えてきた感情を爆発させる。自分の努力も信じていたものも何の意味もなかったと気づく。人のいい自分を利用するだけの職場の連中に反発、職場を去る決意を固めると、ゆかりの元へ。どんな形でもいい、君は心の妻だと自分の気持ちを解き放った。