《梗概》
イラストレーターの井上和也(36)は、子供嫌いで、女好き。本当はイラストレーターではなく油絵の画家になりたいのだが、自分にあれこれいい訳をして、淡々と日々を過ごしていた。
また、和也は昔付き合っていた今村茉莉(36)が忘れられないのだが、突然、和也の前から茉莉の事を憎んでもいた。今は何となく橋本美香(24)と付き合っている。
そんな和也のもとにある日、突然、和也と茉莉の子供だと言う今村智也(12)が現れ、2、3日家に泊めてくれと言う。子供嫌いの和也は追い出そうとするが、その場に美香が来た為、美香にはばらさない事を約束に置く事になる。
なんの為に来たのか解からない和也は、親友の近藤伸二(36)に相談する、やはり認知で意見が一致し、茉莉を許せない和也は、智也を駅に置き去りにする。が、戻ってしまう。
しかし、連れ戻した事を後悔してか、その後は、殆ど相手にせず、仕事をする。
智也の方も、仕事をしている間は別段何もせず静かに待っている。
和也は、時折みせる智也の不振な行動(野球のボールが当たっても、ポットが足に落ちても痛がらない。たまに、具合が悪そうになる)に気づきながらも、早く帰って欲しいが先になって気にも留めない。
ついに、3日目に智也が油絵の事で「後でやっておけば良かったって、後悔してもしらねーぞ」と言っただけで、認知しろとも何も言わずに帰る。やっと、日常に戻るが、昨日まで智也が居た場所には、智也は居ない。仕事をしていても落ち着かなくなり、美香と会うが、何となくの時間を過ごしてしまう。
伸二は何となく虚無感漂う和也を見て、茉莉と智也に会って来いと言われる。
意を決して会いに行くが、家には居なくて、病院だと言う。病院には智也が寝ている。ガンの末期である事を知る。が、直ぐに智也は死んでしまう。父親として何もしてやれなかった事に苛まれる和也は茉莉にあたってしまう。
その後、ダラダラと生を貪るのをやめ、絵を描き始める。
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