【タイトル】 

「メランコリア」

【作者】 

橘 一成(たちばな かずなり)

【E−mail】 

zoue25denal@yahoo.co.jp

【シナリオ】

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《梗概》

 東京郊外のスーパーで働くアルバイトのレジ店員・及川由衣は、ヒステリックな先輩店員の須磨桐子に目の敵にされ、毎日憂鬱な日々を送っていた。辞めたくとも金はなく、あるのは借金と、育ての親・及川彌生の説教だけ。由衣はまったくもって、その日常にうんざりとしていた。
 そんなある日、由衣の働くスーパーに美貌の女・萬田弘美が入店してくる。由衣はそのクールな美貌と、非日常を感じさせる特異な雰囲気に憧れにも似た好奇心を抱き、やがて2人は、日常生活への嫌悪という共通 のキーワードによって親密な関係になる。そして2人は、日常生活の象徴とも言える桐子を暴行することを計画し実行、桐子を奴隷として隷属させ、金銭を搾取することに成功する。
 だが、そんな2人に、それぞれの問題が発生する。突然の彌生の入院、ガン告知。由衣は弘美との非日常と彌生の病気の推移に関わる日常との狭間を行き来する。
 一方の弘美は、その身に忍び寄るマリアという名の支配者からの抑圧に手足をもぎとられていく。
 万事はギリギリの均衡を保ちながら、静かに進行していくが、すべては由衣と弘美の責めに精神をやられた桐子の発狂によって崩れ始める。
 彌生の命は余命わずかとなり、マリアは弘美だけでは飽き足らず、由衣にもその触手を伸ばし始めた。
 弘美は、マリアと対峙することで由衣を導きいれた非日常の世界から、あるべき日常世界に由衣を戻そうとするが、その対決は呆気なく弘美の敗北に終わる。
 一方の由衣は、信じがたい光景を目のあたりにし、絶叫した。それは、彌生の死。病死ではなく、殺害されたのだ。狂った桐子の刃によって。
 世界は完全に壊れ始める。戻るべき日常と、非日常の道しるべである弘美を失った由衣は
ただ一人、桐子に報復の刃を向ける。
 だが、すべての裏には、巧妙に仕掛けられたマリアの罠があった。それに気づいた由衣は、自死を持って、その支配へ抵抗する。