【タイトル】 

「夕暮れ物語」

【作者】 

内田 高弘(うちだたかひろ)

【E−mail】
【ホームページアドレス】

t-uchida@yr.tnc.ne.jp
http://www.scenario-house.com/

【シナリオ】

非公開

 

《梗概》

中学三年生の理恵は病気で入院中の父、昌雄と二人暮らしである。母はいない。だから、実際にはアパートで一人で暮らしている。
 見た感じはごく普通の少女の理恵であるが、おおきな秘密があった。売春である。夜になると繁華街でお金を持っていそうな大人の男をチェックし、自ら声を掛けていた。なぜそんなことをするのかは謎だったが、一度や二度ではないようで、アパートの隠し箱には既に数十万円が貯まっていた。
 そんな秘密はあるものの、学校では仲良しの忍・さおりとはしゃぎ、男生徒からも好意を持たれるなど、理恵は普通 の中学生としての日常を送っていた。
 しかし、父、昌雄の病状は確実に悪化していた。肝臓癌なのであるが、医師はもはや手遅れであり、生きられてもせいぜい半年だろうと冷たい言葉を口にする。
 理恵の心は次第に重くなっていく。せめてもの慰めにと路上で拾った子犬を飼い始めるが、アパート故、大家にばれてしまう。しかし、大家さんは親切にも捨てられた犬を何匹も飼っているおばあさん、ハルエを紹介し、理恵はウルトラマンと名付けた子犬をハルエの家で飼うことが出来るようになった。ウルトラマンと名付けた訳は必ず勝つから。父が病気に勝ち、自分も担任から厳しいと言われている高校に合格し、生活が平和になることを願ってのものだった。
 相変わらず続く売春。そして、忍たちに指摘された極端な男嫌い。深い訳を残しつつ、理恵の日々は過ぎていく。そんなある日、理恵は書店で優子という女子大生と知り合いになり、優子が家庭教師になってくれることとなった。強い味方を得た理恵は、ウルトラマンを預かってくれているハルエも含め、良き人に恵まれ、次第に気持ちが更生されていったのか、売春を止め、一生愛せる人が出来たらいいな、などと思うようにもなっていった。
 ところが、街で以前に売春を仕掛けた中年男、桑田と会う。もう売春はしてないからと逃げようとした理恵だが、桑田の巧妙な口芝居に乗せられ、伊豆へ同行することとなる。だが、これこそが桑田の罠で、理恵は伊豆のホテルで裏ビデオを撮られてしまうのだった。
 理恵は改めて自分の歩んだ道の過ちを知る。そして、父が亡くなる。しかし、理恵は立ち上がる。過去の全てを清算し、立ち上がることを望んだ。