【タイトル】 

「アナザ・ハート」

【作者】 

池田 有佳里(いけだ ゆかり)

【E−mail】 

gzh05175@nifty.com

【シナリオ】

非公開

 

《梗概》

幼いころから心臓病を患っていた永山美生(20)は、運良くドナーが見つかり、2年前心臓移植手術を受けた。拒絶反応もなく、順調に回復。周囲は大喜びであったが、美生自身は新しい心臓との違和感に人知れず不安を感じ、悪夢に苦しまされていた。
 身内にドナーを持つ鳴海悟(20)はそんな美生が気になり、二人は時々会うようになる。悟と楽しい時を過ごす美生だが、やはり悪夢は止まない。生前のドナーの苦しみか、あるいは恨みか…苦しむ美生を見かねて、悟は美生のドナーを探そうと持ち出す。
 美生のドナーはバイクで事故死した北野潤(22)。優しい家族に恵まれた青年だった。潤の家族に歓待され、美生は自分の家族にように思う。また移植手術後の美生の変化は潤の生前そのものだった。美生の中に潤が生きている…美生も、潤の家族もそんな錯覚に酔う。
 美生とドナーの不思議な関係が医学雑誌に発表される。マスコミはこの内容を多いに非難。世間にも冷たい目を浴びせられる。また、これを機に、潤の事故は自殺だったのでは、と言う疑惑も浮上。潤の家族もその真意は分かっていない。潤の死の謎は、この一家にとって触れてはいけない傷だった。一家は美生を避けるようになる。
 ショックを受けた美生を悟が支える。翌年の美生の移植手術記念日、すなわち潤の命日に二人は潤の墓参りに行く。そこで待っていたのは潤の父・清二と母・真澄。二人は潤にしばられない、自分の人生を生きるよう、美生を勇気づける。
 それから五年後、美生は死ぬ。最移植の話もあったが、美生は潤の心臓を死ぬ ことを選んだ。