【タイトル】 

「愛を探さないで」

【作者】 

松本 真樹(まつもと まき)

【E−mail】 

未公開。作者にご連絡されたい方はシナリオ講座へお問合せ下さい。シナリオ講座から作者にご連絡いたします。

【シナリオ】

非公開

 

《梗概》

 これは、愛と憎しみと欲望が渦巻く古い屋敷を舞台に展開するゴシック・ロマンであり、その中で、運命に翻弄されながらも自分らしく生きようとするヒロインの成長物語である。
 時は昭和30年代。主人公は孤児ミドリ、17歳。物心ついた時から施設を転々とし、今は踊り子として舞台に立つミドリの前に、秋山と名乗る青年が、ある依頼を持って現れる。それは、17年前に行方不明になった、愛という名の少女の身代わりとして、秋山が個人秘書を勤める富豪の老人の屋敷にしばらくの間滞在し、その老人の身の回りの世話をしてほしい、という、まことに奇妙なものだった。
 法外な報酬と誠実そうな秋山の人柄に惹かれ、その依頼を引き受けるミドリは、秋山とともに老実業家、坂崎京一郎の屋敷へと向かう。その途中、秋山がミドリに語った事情とは、次のようなものであった。
 今から18年前、坂崎京一郎の一人娘真梨子が、貧しい画家と恋におち、父親の反対を押し切って駆け落ちした。坂崎が手を尽くして真梨子の行方を探し出した時、真梨子は既に、愛という名の女児を出産していた。何とかして真梨子を孫の愛とともに屋敷に連れ戻そうと考えた坂崎は、使用人を使って愛を偽装誘拐させるという強行手段に出た。計画がうまくいきそうに思えた時、不審尋問で警察に追い詰められたその使用人は、逃げ場を失い赤ん坊を抱いたまま川に飛び込んだ。数日後、使用人の死体はあがったが、愛は行方不明となり、事件後まもなく真梨子は心労から病に倒れ、あっけなくこの世を去った。
 17年の時が過ぎ、今、坂崎京一郎は、死を待つ病の床にある。妻にも先立たれ家族のいない坂崎は、生きているうちに孫の愛を探し出して償いをしたいと強く願い、秘書の秋山に、何とかして愛を見つけ出すように命じた。だが、生死もわからぬ愛の行方を探すのは不可能に近い。そこで秋山は、残された坂崎の余生を心安らかに過ごさせてやるために、愛の身代わりを立てて屋敷に連れてゆこう、と考えたのである。秋山はミドリに言った。 「君のことを調べさせてもらったよ。愛が生きていれば君と同じ17歳。そして何よりも、君は坂崎氏の一人娘、真梨子によく似ている」
 屋敷を訪れたミドリは、坂崎京一郎の遠い親戚を名乗る、遺産目当てに集まってきた一癖も二癖もある人物たちに偽者呼ばわりされ、あげく命まで狙われる。ミドリに仕掛けられた罠、徐々に明らかになる真実、やがて物語は、意外な結末を迎える ───。