シナリオ講座      一般社団法人シナリオ作家協会


     
   阿相クミコ (シナリオ作家)

主な作品に、連続ドラマ「東京DOGS」(CX)、「ホカベン」(NTV)、
ミュードラ「woh woh」(CX)、深夜ドラマ「もうひとつのシュガー
&スパイス」(CX)など。日本テレビシナリオ登龍門2001入選。
栃木県出身。脚本家・伴一彦氏に師事し、2006年にデビュー。
所属事務所は、エム・エー フィールド http://www.ma-field.com


                            


2009年12月14日(月曜日)

はじめまして。
阿相クミコと申します。
今日からよろしくお願いします!

* * * * * *

ドラマの調べ物のため、午前中から図書館へ。

もうすぐ13時。
お昼でも食べようと、サラリーマン風の3人組に続いて
カレー屋さんに入ろうとした時だった。

店員さんが私に言う。
「食べ放題は13時からです」。

はい? 意味がわからない……。

聞けば、このカレー屋さんは、
13時からはル―もナンも食べ放題になるのだという。
今はまだ12時55分だから、
外の椅子に座って待て、とのことなのだ。

そんなルール知りませんでした。
てか、なんで私を食べ放題の客だと?
サラリーマン3人組は、普通に座らせたのに……。

体型? 雰囲気?
食いしん坊さんに見えちゃった!?

食べ放題の客ではない、と伝えると、
「あ、じゃあ、こちらへ」とテーブルに案内してくれた。

でも時間は12時58分。

今、座ったら損みたいじゃないですか!?
だからってあと2分、外で待つのもナンだし。
どっちもどっちだ。

結局、私はどうすることもできず、
「やっぱり、今日は……いいです……」と
店を出てきてしまった。

あぁ、バカだ。
気分はすっかりカレーなのに。
結局それからまたカレー屋さんを探し求めて
さまようことになったのだった――。

では、また明日!



2009年12月15日(火曜日)

今日は、13時にドラマの企画書を送信。

16時からは別のドラマの打ち合わせへ。
事務所の作家仲間も一緒だ。

ただ、どちらもまだ企画段階。
どうなるかまったくわからない。


プロデューサーと一緒に企画を考える時間が好きだ。

こんなストーリーで、
こんなテーマで、
こんなキャスティングでと、
どんどん話が広がっていく。

実現することになれば、
百人以上の人が関わることになる作品も、
はじめの一歩は、プロデューサーや監督との
何気ない会話がきっかけだったりする。


脚本家の仕事は
大変なことのほうが多く、
楽しいとは言いたくない。
でもとってもとっても
面白い仕事だと思う。


今日は種まきの日だった。
いつか芽が出て、花が咲くように願う。

では、また明日!



2009年12月16日(水曜日)

私は、伴一彦先生が主宰していた
電脳シナリオ塾“sac a ban”出身で(現在は閉塾してます)、
デビューは2006年になる。
スペシャルドラマ『コシノ家の闘う女たち』(NTV)を
伴先生との共同脚本という形で書かせていただいた。

ただ、TVドラマや映画に限定せずに
初めて“脚本”とクレジットされたことでいうなら、
2004年の玉木宏さん主演のDVD『Realize』が最初になる。

これを書くことになったのは、
不思議ないきさつが――。


当時、伴先生が書いた玉木さん主演の映画『殴者』の
撮影を塾生数人で見学に行くことになった。

ものすごく楽しみにして、
当日の夜、スタジオに向かっていると、
なぜか塾生から続々と携帯にメールが届く。

「40度の熱が出て動けない」
「どうしても残業で帰れない」
「原因不明の腹痛で倒れてる」

……( ̄◇ ̄;)!

結局、私一人が伴先生に同行して撮影所に行くことになった。
すると映画のプロデューサーが声をかけてくれたのである。
「今度、玉木くんのDVDが出るんだけど、
 その脚本書いてみる?」と。

えぇ〜〜!?
書きますとも!

ちょうど新人のライターをさがしているところだったらしい。
伴先生のお弟子さんなら、ということで白羽の矢が立ったのだ。
もし数人で見学に行っていたらコンペになったかもしれない。

後から塾生には、
阿相さんの呪いにかけられた〜、と言われたが、
そんな力があるわけないじゃないの!(笑)

でもチャンスというのは
いいタイミングでいい場所にいることだ、
とホントに思った。

シナリオを書き、印刷された台本はバイク便で届けられた。
初めての“脚本”。
そのバイク便のお兄さんに抱きつきたいくらい、
うれしかったのを覚えている。

では、また明日!



2009年12月17日(木曜日)


今日は朝から執筆。
映画『人間失格』の試写状をいただいていたので、
昼過ぎに紀尾井町へ。

そしたら、あらっ。
満席で入れませんでした……。残念!

戻ってきて、新宿の「つるとんたん」で食べて、
執筆再開。


中高生の頃、太宰治は好きだった。
『人間失格』を初めて読んだときは感動して、
当時、ちょいヤンキーだったのに、
文芸部に入部してしまったくらいだ。

部員の皆さんとはスカート丈が違ったけれど、
温かく受け入れてくれて、
放課後、たまに本の感想を語りあったりした。

みんなで詩集なんかも作っちゃったりして。

……恥ずかしい。
何を書いたのかうっすらと覚えているから(笑)。

あの頃は、ノートだけじゃ足らず、
自分の部屋の机とか壁とか
学校の机とかカバンとかも落書きだらけだった。

……恥ずかしすぎる。

でも今でも基本はあんまり変わってない気もして、
この日記を書きながら少し落ち込んできた。
がんばります。。。


では、また明日!



2009年12月18日(金曜日)

今日は、火曜日に打ち合わせてきたドラマの
プロットというかアイデアメモを送信。

夜は、作家仲間の飲み会へ。
M藤くんがデビュー10周年を迎えるので、
みんなでお祝いしよう!と集まったのだ。

彼もその仲間もみんな熱くて面白い人たちばかり。

とても楽しい時間だった。
刺激を受けたと同時に、
癒されもした。

歌舞伎町に朝までいて帰宅。
とりあえず仮眠しようと思う。

では、また明日!



2009年12月19日(土曜日)


今日は14時から、所属事務所の忘年会。
中目黒のスペイン料理店へ。
昼間から30人近くの人たちでわいわいお酒を飲んだ。
最後は一体、何次会までいったのだろう(汗)

久しぶりに会う人や初めて会う人、
しょっちゅう会う人など顔ぶれはさまざまだが、
近況を聞くと、みんな忙しそうに書いている。
連ドラに映画にネット配信ドラマに小説にと……。
徹夜明けで忘年会に来た人も何人かいた。


事務所に所属することのメリットを
よく聞かれるけれど、やはり
仕事や人脈を紹介してもらえることは大きいと思う。

それと、味方がいつもそばにいるというのは心強い。
応援してくれる人がいると思うと、
ピンチのときでも勇気を持つことができる。
書くということは孤独な作業だけれど……。

今年はとてもいい年だった。
来年もまたみんなでこうしてお酒が飲めたら、と願う。

では、また明日!



2009年12月20日(日曜日)

明日21日(月)は、
数話を共同脚本で書かせていただいた
連続ドラマ『東京DOGS』の最終回。

このドラマはシリアスコメディというジャンルで、
「シリアス+コメディ」というより、
まじめにやっていることが面白く見える
という意味でのシリアスコメディとのこと。

私にとってはまさに打ち合わせもシリアスコメディだった。
例えば、先週の9話。
主人公の好物である「しらたき」について、
深夜の会議室で真剣に討論するスタッフ陣。

「しらたきっていうのは――」
「しらたきをもっと――」
「そもそもしらたきって――」
「だからしらたきが――」

あれ? ( ̄∇ ̄;)
月9のホン打ちって、確かもっと、
告白とかキスするタイミングとか、
そんなことを……そんなことを……。


いえ! いいんです!
これが東京DOGSワールド。
私は、そんなセンスのスタッフ陣が大好きでした。

最終回は25分拡大SPになります。
12月21日(月)夜9時〜 フジテレビ
ぜひご覧になってください。

一週間ありがとうございました!
よいクリスマスを!!


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